くーみんについて


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よく来る猫の一匹でしたがあまりの臆病さで気にはなっていました。せっかくご飯を食べに来たのに周りばかり気にしているようで結局ほんの少しだけ食べて逃げてしまいます。 


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(去年の春ころかな)
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(だいぶ凛々しくなりました)

 

 

ある日ご飯を食べに来たとき、チョビとウルフに挟まれてしまって動けなくなっていました。私はカメラで見ていたのですぐにドアを開けてチョビとウルフを追い払いました。この子も逃げるかなと思ったのですがなんと逃げずに私に近づいてきたのでした。それ以来この子が来るとドアを開けてご飯を食べるのを見守るようになり、いつの間にか専用のお皿で直接ご飯をあげるようになりました。

去年の夏講習中には玄関ではなく道路に面した台の上で私のことを待つようになり、急遽外カメラを設置しました。玄関にはご飯がおいてあるのに私の帰りを1時間近く待っていることもありました。

毎日朝晩道路に面した台の上でご飯をあげていると、ご近所の方がこの子について教えてくれたのです。

「まだ小さいときに妊娠した状態で捨てられていた。かなりきれいな状態で現れたので直前まで家の中で飼われていたと思う。かわいそうだが手術してリリースした。黒が目立つ三毛猫なので名前をくーみんにした。臆病なのでこんなになつくとは思わなかった」とのこと

その場で「じゃあ、うちの子にします」ということになりました。

ただ捕獲器にかかって手術されたことがあり、なかなか捕獲器に近づきませんでした。

去年の10月から捕獲器の中でご飯を食べるようになったのですが奥までは入らず、仕掛けを絶対踏みません。仕方なくヒモを付けて手動で作動させることにしました。そして10月末早朝に仕掛けを作動させたのですが、くーみんは素晴らしい反応で捕獲器ドアが閉まる前に頭突きでドアを開けて脱出したのです。ケガをしていないか心配でしたが直後に元気に走り回り、その日の午後にもご飯を食べに来ました。通常では考えられないそうで普通は当分現れないとのことです。ご飯を食べるところは私のところしかないのでしょう。

捕獲器を大きめのものに換え、すぐに捕獲器に慣れさせました。そしてまた12月28日早朝に仕掛けを作動させました。今度はしっかり捕獲器で確保した、はずでした。真っ暗ですが捕獲器もガタガタいっています。

捕獲器にタオルをかけてやろうとタオルをとりに行った数秒間、の間に捕獲器は空になっていました。周辺を探すと、また元気に走り回っていました。

今度こそ来なくなるかもと思いましたが、その日の夜もご飯を食べに来ました。

失敗する度に捕獲器を換えることにしていたので今度は日本製でロックのかかる捕獲器にし、少し待てば安く買えたのですが1月2日に届くショップで注文しました。

しかしさすがに捕獲器どころか家の敷地に入るのも嫌がるようになりました。道の反対側で待っているのです。何とかこちら側に呼ぼうと思いましたが、普段一切鳴かないくーみんが大きな悲しそうな声で泣いたのです。隣のおばさんも「かわいそうだから向こう側であげれば?」というくらい切ない鳴き声でした。しばらく道の反対側でご飯をあげることになりました。

その後、春になってまた家の敷地に入ってくるようになり、夏前には捕獲器の中でご飯を食べるようになりました。


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そして6月23日水曜日の早朝、ついにリモートに改造した捕獲器を作動させ、確保する事ができたのです。

すぐに病院に連れていき、ケージを組み立て、ケージ用カメラを設置し、後ろ髪を引かれる思いで授業に行きました。とにかく大学合格より嬉しかった。帰って来てからも控えめに話しかけてから寝ました。


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ところが

 

話は少し戻りますがくーみんを保護した当日、動物病院を朝一番で予約してタクシーで病院に向かいました。そしてくーみんをタクシーに乗せて病院に向かったとき、みけこさんが私の家の前に来てタクシーを見送っていたそうです。みけこさんはくーみんに追いかけられるのが嫌で私の家には半年くらい寄り付かなかったのですが、くーみんが捕獲されたことがすぐに分かったようです。みけこさんは私とくーみんが病院から戻ってくるまで2時間くらい家の前で待っていました。そしてゆっくりご飯を食べていきました。

くーみんもチョビがいなくなったらすぐに私の家の敷地まで来るようになったし猫の能力は侮れません。

そして翌朝。5時ころにみけこさんが家までやってきました。すっかり安心したようです。くーみんにはケージ内にちゅ~るとご飯を置いてあります。外に出てみけこさんにご飯をあげると、みけこさんはまた安心してゆっくり食べていました。

みけこさんが帰ったあと、家に入ろうとして玄関を開けたらくーみんがとことこ歩いて出ていったのです。その瞬間体中の力が抜けました。

くーみんはとことこ歩いて家から遠ざかっていたのですぐにちゅ~ると洗濯ネットを持って追いかけたのですが、結局家に戻ってしまい2時間ほどかけて一緒に散歩した感じで終わりました。当然くーみんは家の中には入りません。

その日の午後もいやいやながら捕獲器に頭を入れてご飯を食べていましたが、さらに何年かかるか想像もつきません。

しかしなぜかくーみんはすぐまた2週間ほどで捕獲器の奥まで入るようになりました。そして7月はじめの早朝捕獲器を作動させたのです。しかし焦ってしまいくーみんがまだ4本足で立っている状態のときにリモコンスイッチを押してしまったのです。くーみんは目にも留まらぬ速さで顔面を扉にぶち当てて突破したのでした。

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それ以来くーみんは捕獲器どころか家にも近づかなくなりました。ただご飯を食べるところは私の家しか知らないようで、私の家から少し離れたところでご飯を待つようになったのです。